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東京の賃貸オフィスの利用についてのインタビューに真摯に応じる代表取締役社長の三ッ井氏

株式会社エー・ディー・ピーが第1はすめビルを選んだ理由

移転の課題は広さと立地

両国・北斎通りに面した場所に立つ第1はすめビル。7年前からこのビルを借りている株式会社エー・ディー・ピーは60年以上に渡り、印刷業を営んできた老舗企業です。

今回は代表取締役社長の三ッ井清明氏に、移転にまつわる背景や課題、今後のビジョンなどについて伺いました(以下、敬称略)。

PROFILEプロフィール

株式会社エー・ディー・ピー

代表取締役社長

三ッ井 清明

東京都出身。

獨協大学卒業後、環境美化用品を製造・販売する大手総合メーカーに入社。その後、株式会社エー・ディー・ピーの前身企業へ。経理を始め、さまざまな職種を経験した後、2014年より現職。

趣味はマラソン。サブ3.5を目指し月に200kmを走る本格派。

会社の窮地を救ったTシャツプリントへの挑戦

印刷機器

― まず、エー・ディー・ピーの事業内容について教えてください。

当社は現在、アパレル製品へのプリント加工を中心に事業を展開しています。

シルクスクリーン印刷、インクジェットプリント、昇華転写プリント、熱転写プリントなど、あらゆる要望に応えられる最新の設備を整えています。特にこだわっているのがシルクスクリーン印刷です。

当社三郷工場の工場長(専務取締役)は日本一の腕を持つ職人で、高難度のプリントにも対応可能です。

― 当初は紙への印刷がメインだったそうですが、そこからどうしてアパレルに舵を切ったのでしょうか?

実は私が入社した当初、業績は下降の一途を辿っていました。何かいいアイデアはないかと思案していた時に、社内の勉強会で知ったのがTシャツプリントでした。

「うまくいくわけがない」と周囲からは冷ややかな反応がありましたが、もし失敗したら個人的に弁償すればいいと考え、初期投資20万円で始めてみることにしたんです。日中は経理の仕事をしながら、夜間や土曜にTシャツにプリントをして売ってみたらこれが大当たり。

プリントTシャツの売上げは右肩上がりに上がり続け、毎月表彰されるほどになりました。それが今の事業へとつながっています。

― 社長の挑戦が会社の窮地を救ったんですね。コロナ禍の時にも新たな挑戦をされたそうですね。

マラソンが趣味であることから、ランナー向けのスポーツマスクを製作しました。当社は9割が法人からの下請け仕事です。

しかし、マスクは一般ユーザー向けでしたから、初めての経験をたくさんしました。電話でのセールス、マラソン雑誌や大会事務局への営業、プレスリリースの準備、そしてクラウドファンディング。当時、皇居周辺で動画撮影をしていたところ、某メダリストが偶然通りかかったんです。当社のマスクを着用して走ってもらい、それをクラウドファンディングの動画に使わせてもらうという嬉しいハプニングも。

その他にも多くの著名人とご縁をいただきました。この時の経験が今の経営にも活きていますね。

7年も入居しているのは、このビルが大好きだから

男性が階段を下りる

― こちらのビルに移転した経緯を聞かせてください。

もともとは両国1丁目にあるビルに入居していたんですが、手狭になってきたことから近隣で物件を探していたんです。

物件情報サイトでこのビルを見つけ、よさそうだなと思い、スリーウェーブさんに連絡して内見させてもらうことになりました。

― 物件を決める際、譲れないポイントはあったんでしょうか?

ひとつはフロアの面積です。重量がある機械が多いため、面積が広いところがいいと考えていました。以前の物件は5階建てで1フロアが35坪。上階に機械を搬入する際はクレーンが必要になってしまうため、重いものが置けずに困っていました。しかしこちらは1フロアが70坪。倍の広さがあり、完璧でした。

もうひとつは立地です。シルクスクリーン印刷はあまり世間に知られていません。そこで、焼き立てパンのように実演販売をしてみたいと考えていました。大きな通りに面しているこちらのビルはそれに打ってつけ。現在は諸事情により休止していますが、いつかまた復活させたいですね。

― 7年と長くご入居いただけている理由についても教えてください。

それはもうここが大好きだからです。まさに理想通りの物件ですから、ここ以外には考えられません。このビルはA棟B棟2つの建物がくっついた、ちょっと変わった構造になっているんです。

2階3階には段差があるんですが、それが迷路みたいで面白くて。お客さんからも、レトロっぽい雰囲気が素敵だとよく言われます。

― 周辺環境はいかがですか?

最高ですね。両国には生地や縫製、ボタンを専門にしている業者さんが多くいます。区も非常に手厚くて、この周辺から仕事をちょうだいすることも多いんです。

当社が手掛けた北斎アロハは、『すみだモダン』というブランドに認定され、両国駅前の『江戸NOREN』や東京ミズマチのコネクトすみだ『まち処』でも販売されています。

― スリーウェーブの対応はいかがでしたか?

三ッ井:親身に対応していただき大変満足しています。担当の横瀬さんはいつもこちらに来ると仕事以外の話をしていくんです。
不動産の話をしない不動産屋さんは初めてです(笑)。

横瀬(弊社):言われてみれば、確かにいつもプライベートな話ばかりしていますね。三ッ井社長との雑談が楽しくて、つい話が弾んでしまうんだと思います(笑)。

三ッ井:仕事のヒントって、仕事以外のところから出てきたりしますよね。横瀬さんとの雑談がアイデアのヒントになることもあり、来訪を楽しみにしている自分がいます。

サステナブルな取り組みを進めながら、自社のブランド価値を高めていきたい

Tシャツプリント

― 御社ではサステナブルな取り組みも積極的に行っているそうですね?

ファッション業界は2番目に環境負荷が高いという背景から、昨今サステナブルへの要求が高まっています。当社でも2年ほど前からサステナブルに関する取り組みを始めました。東京都の中小企業振興公社で、事業可能性評価事業の認証を取得。

さらに、古着にもチャレンジしようと古物商の免許も取りました。プリント工場ですから、古着を右から左に売るのではなく、何かしらプリントを施したいと考えてつくったのがアロハシャツです。半分はリサイクルの着物を活用し、もう半分はポリエステルの素材にプリントをしてシャツに仕立てています。

― 最後に、今後のビジョンについて聞かせてください。

サステナブルな取り組みをさらに進めながら、自社のブランド価値を高めていきたいと考えています。サステナブルなファッションには3段階あります。まず1段階目が、『何度も楽しむファッション』です。リサイクルをしたりリメイクをしたり。古着をリメイクしたアロハシャツがこれに当たります。

2段階目が『つくりすぎないファッション』。究極は1枚ずつのオーダーです。自分でデザインしたものであれば愛着が湧きますから、簡単に捨てたりはしないでしょう。そして3段階目が『長く楽しむファッション』。例えば、当社で購入したものが破れた時に無償で補修するサービスの展開などを検討しています。この2段階目、3段階目をやっていくために現在、松戸の工場を準備中です。

まとめ

今回は、株式会社エー・ディー・ピーの代表取締役社長である三ッ井清明氏にお話を伺いました。

理想通りの物件だと語られたビルの中を案内してもらうと、すれ違う従業員のみなさんから「こんにちは」と笑顔で挨拶が。活き活きと仕事をされている姿が印象的でした。サステナブルなファッションへの取り組みなど、挑戦しつづけるエー・ディー・ピー社に今後も注目したいと思います。