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東京の賃貸オフィスでインタビューを受ける、日本絵手紙協会の事務局長の大津氏

日本絵手紙協会と昭和ビルをつないだ不思議なご縁

運命を変えた1本の電話

浅草橋駅、東日本橋駅、馬喰横山駅からそれぞれ徒歩数分の場所に立つ昭和ビル。今年6月、日本絵手紙協会がこのビルの7階に移転した経緯には、不思議なご縁を感じる驚きの物語がありました。

今回は事務局長の大津欽央氏に、移転にまつわる興味深いお話を伺いました(以下、敬称略)。

PROFILEプロフィール

日本絵手紙協会

事務局長

大津 欽央

東京都出身。法政大学卒業後、自動車機器メーカーに入社。その後、空間デザインの専門学校に入学。イベント等のデザインや設計を経て、広告代理店で行政イベントを担当。2009年、日本絵手紙協会に入社。2022年より現職。

“ヘタでいい ヘタがいい”をモットーに絵手紙の普及に努める

絵手紙教室の様子

― まず、日本絵手紙協会の事業内容について教えてください。

1985年に設立された日本絵手紙協会は、“ヘタでいいヘタがいい”をモットーに、絵手紙文化の普及活動をしており、主に『月刊絵手紙』の発行や講座の運営、通信教育、認定講師の育成などを行っています。

絵手紙は、筆の先に意識を向けることで集中力が養われ、お礼状やご案内状としても使えることから、近年では企業研修としても多く採用されています。

― ズバリ、絵手紙の魅力とはなんでしょうか?

最も大きな魅力は、思いが伝わり、人とのつながりが生まれることです。当協会には『絵手紙友の会』という文通の会があります。全国で約1500名ほどの会員の方々が、一言メッセージなどが掲載された名簿を見て、自由に文通をされています。

会員さんのボリューム層は60代~70代。ご家族やご友人が亡くなり、話し相手がいなくなってしまったという方も少なくありません。絵手紙を通じて新たなつながりが生まれ、毎日が楽しくなったという声をよく聞きます。

相手を思い、時間をかけ、たった1枚のものをかきあげる――絵手紙は、コスパやタイパを重視する現代において、その対極にあるものでしょう。しかし、絵手紙だからこそ伝わる思いも確実にある。私たちはそう思っています。

― こちらで開催されている絵手紙教室の特徴について教えてください。

当協会の絵手紙教室では、学びを大切にしています。絵と字と言葉。この3つがセットになった絵手紙で伝わるものをかくには、感性を磨く必要があります。

さまざまなものを見て、触れて、学ぶ。絵手紙の創始者である小池邦夫は、それを『人間建設』と表現していました。人間建設とは、言い換えれば人間作り。つまり、絵手紙を通して、自分を深めていくことが最大の目的なのです。

他の物件に申し込んだものの、不思議なご縁で昭和ビルへ

インタビューに答える日本絵手紙協会の事務局長の大津氏

― オフィスの移転を検討された背景や当時抱えていた課題について伺えますか?

きっかけは新型コロナの流行でした。先ほどもお伝えしたように、当協会の会員さんは60代~70代が中心。感染した場合、重症化しやすい世代です。講座に参加しようにも家族から止められたり、慎重にならざるを得ない方々が多く、結果的に講座やイベントはすべて中止になりました。

その後、通信とオンラインでの対応に切り替えたこともあり、5類に移行した後も対面の講座に参加する会員さんの数は戻らず。当時は2つのフロアを借りていましたが、効率化を図るためにも1フロアの物件へ移転を検討すべきだろうということになったんです。

― こちらの物件にはどのような経緯で移転されることになったのでしょうか?

ある日、御社の営業担当から「とてもいい物件が出たので、見るだけでもどうですか?」とお電話をいただいたんです。それがこちらのビルでした。内見して一目で気に入ったものの、実は別の物件に申し込んでしまった後。諦めるしかないと考えていたところ、その物件の管理会社から突然、「事務所としてのみ使用してほしい」と連絡が。教室を開催できないのなら、当然契約もできません。

こちらのビルのオーナーは紙の専門商社ということも何かのご縁があったのかもしれません。教室開催の理解も得られ、こちらの物件に改めて申し込むことになりました。

― 不思議なご縁でこちらへの移転が決まったんですね。決め手となったのはどんなところだったのでしょうか?

全国から会員さんが来られますので、まず第一に東京駅からアクセスがよい場所であること。その他に重視していたのは、トイレの数です。9割が女性のため、できれば2室は欲しいと考えていました。

また、講座が終わるとみなさんが一斉に降りていくため、エレベーターを一時的に占有してしまいます。こちらはエレベーターが2基あるので、その点も大きなポイントでしたね。

― 6月に移転されたばかりですが、使い勝手はいかがですか?

非常にいいですね。以前のビルは築50年でしたから、建物が綺麗になって、スタッフ一同喜んでいます。何より、旧耐震のビルから新耐震のビルになり、お客さまとスタッフの安全面を向上できてホッとしています。

― 会員のみなさんの反応はいかがですか?

神田川と隅田川が交わる場所にあるのですが、「街の雰囲気がすごく素敵ね」という感想をいただいています。両国橋のたもとに行けば、隅田川からスカイツリーも望めます。今度そちらでスケッチの講座をしようと企画しているところです。

100年つづく文化として絵手紙を残したい

ブラッシュアップのロゴの前でインタビューを受ける株式会社ブラッシュアップの代表取締役社長犬飼氏

― スリーウェーブをご利用された感想を伺えますか?

御社の営業担当が非常に話しやすい方で、正直にいろいろとご相談できた点がよかったですね。まず始めに、「決めなくてもいいですから、この広さはこれぐらいなんだと体感していただくためにもお試しで見に来てください」と言ってくださったんです。確かに、図面や写真で見るのと実際に内見するのとでは感じ方もまったく違っていました。

これだけぴったりの物件をご紹介していただけた上、賃料の交渉までしてくださり、希望通りの条件で契約ができて、大変満足しています。

― スリーウェーブで今後オフィス移転を検討しようと考えている方に向けてメッセージをお願いします。

スリーウェーブさんは見るだけでもいいと言ってくださるので、まずは遠慮せず、内見させてもらうことをお勧めします。情報もたくさん持っていますから、希望の条件をお伝えして、ぜひ気軽に相談してみてください。

― 最後に、今後のビジョンを聞かせてください。

昨年8月、絵手紙の創始者であり、当協会の会長でもあった小池邦夫が亡くなりました。亡くなる前、「絵手紙文化を100年残るものにしたい」と言っていました。私たちの役目は、その意思を受け継ぎ、絵手紙文化を100年つづくものにしていくことです。

絵手紙というと高齢の方の趣味というイメージがありますが、今後はさらに幅広い世代の方々に絵手紙の魅力を知っていただきたいと考えています。そのためにもPR活動に力を入れていく予定です。

まとめ

ご自身でも絵手紙をかかれるという大津さまのお話から感じたのは、絵手紙に対する深い愛でした。時間も距離も瞬時に飛び越え、誰とでもすぐにつながれる現代。にも関わらず、孤独を感じる人が多いのは、それだけ思いを伝えるのが容易ではないからなのでしょう。

しかし、世界でたった1枚、相手を思ってかかれた絵手紙には、思いをダイレクトに伝える力があります。そんな絵手紙の魅力がたくさんの人に伝わり、温かな交流がさらに広がることを願っています。